イスからの立ち上がりや歩き始め、長い距離を歩いたときなどに股関節に違和感を感じたことはないでしょうか?
上半身と下半身をつなぐ要である股関節の動きが悪くなると体がうまく曲がらない、下半身で踏ん張りが難しくなったりします。
股関節に問題があれば、アスリートのパフォーマンスは低下し、高齢者は動く意欲が低下します。
しかし股関節の問題が取り除ければアスリートの成績は伸び、高齢者は活動的になります。
股関節の可動域

股関節の最大の特徴はよく動くことです。
屈曲(125°)伸展(15°)内転(20°)外転(45°)内旋(45°)外旋(45°)の6方向にも動きます。
大腿骨の骨頭と骨盤のくぼみがカポッとはまる「球関節」とうい構造のためです。

可動域が不十分だと段差につまずいたり、しゃがめなかったりなどと日常生活に支障がでます。
しかし、筋肉が柔らかすぎてもバランスが崩れてしまい不具合が起きることがあります。
例えば開脚180°を目指して無理に開脚し続けた結果、股関節を支える靱帯が伸びきってしまい股関節がグニャグニャになってしまい支えにくくなってしまいます。
その結果、股関節を支えるため周囲の筋肉が過度に働いてしまい硬くなるという悪循環に陥ります。
つまり、適切な可動域があれば十分なんです。
腰掛ける・しゃがむ・立ち上がる・階段の上り下り・車などの乗り降り・靴下の脱着・足の爪を切るなどの日常生活動作を円滑に行う為には屈曲が120~130°、外転20°、外旋20°、内旋20°くらいの可動域が必要になるといわれています。
股関節には23もの筋肉が関与する
股関節は上半身と下半身をつなぐ「要」となる関節であるため多くの筋肉によって支えられています。
股関節には支持性と可動性の両方の作用があります。
さまざまな動作をするときに体を支え、また体を運んでいくためにも23もの筋肉が複雑に連携して機能する必要があります。
23もの筋肉が関与する股関節だからこを問題が難しくなります。
どの筋肉も適切に伸び縮みする「優等生」であればいいですがサボる筋肉(うまく使えない)がでてきます。
そうすると代償運動がでてしまい腰などの別の部位にも負荷がかかってしまいます。
多くの筋肉が関与する股関節だからこその特徴となっています。
人間は「大臀筋」で歩く
歩行時は背骨と大腿骨が地面に対して垂直になっている状態から始まるのでお尻の表層にある大きな筋肉である大臀筋が主に働きます。
大臀筋が骨盤を支えることで姿勢が安定することで歩行が安定しふらつきを抑え自然と歩幅が大きくなり前への推進力もアップします。
大臀筋は上の部分(上方線維)と下の部位(下方線維)が真逆の作用します(外転と内転)
大臀筋の上と下が引っ張り合うことで股関節を安定させています。
走りすぎ歩きすぎで起こる「梨状筋症候群」
大臀筋の深部には「外旋六筋」という6つの筋肉があります。
特に一番大きな梨状筋が硬くなりやすく、しかも梨状筋の下には坐骨神経が通り梨状筋が硬くなることで坐骨神経を圧迫されて神経症状が出ます。(これを梨状筋症候群といいます。)
梨状筋症候群はランナーによく見られるがよく歩く人、特にハイキングや登山を趣味にした人にも多くみられます。
足を着地させた際にバランスを保つために股関節回旋させグッと力を入れるからです。
階段を使ってお尻を強化
階段を使うと健康によいとよく聞きますよね。
階段を上り下りしているときに股関節にはどれくらいの負荷がかかるでしょうか?
答えは体重の6~7倍です。
ちなみに歩行時は体重の2~3倍、走行時は3~6倍、ジャンプが2~4倍です。
階段運動は負荷の高い運動といえるでしょう。
そのため、普段の生活に階段を取り入れてみましょう。
エスカレーターやエレベーターを使わない。
散歩途中に階段を組み込んでみてもいいでしょう。
薄く垂れ下がったお尻から美尻を目指しましょう。
書籍「すごい股関節 柔らかさ・なめらかさ・動かしやすさをつくる。」の紹介
今回の記事の内容は書籍「すごい股関節 柔らかさ・なめらかさ・動かしやすさをつくる。」を参考に書かせていただきました。
本書の中には股関節の運動方法やセルフケアのことまで幅広くわかりやすく書かれています。
より詳しく知りたい方は
著者 中野ジェームズ修一「すごい股関節 柔らかさ・なめらかさ・動かしやすさをつくる。」を読んでみてください。







